こんにちは!コロ助です。
今回は、2024年に公開された衝撃作『告白 コンフェッション』の感想をお伝えします。
死を目前にして、口からこぼれた「告白」
それが引き金となり、徐々に狂っていく人間ドラマ。
静かで怖くて、でも目が離せない。
観終わったあとも心にずしりと残る映画だったので、ここで語らせていただきます。
※この記事は、映画『告白 コンフェッション』の重要な展開・結末に触れています。
未鑑賞の方はご注意ください。
©2024 福本伸行・かわぐちかいじ/講談社/『告白 コンフェッション』製作委員会
出典:PR TIMES(リンクを貼る)
あらすじと登場人物(※ネタバレあり)
登場人物
大学山岳部のOBで親友
- 浅井啓介(生田斗真)
- リュウ・ジヨン(ヤン・イクチュン)
16年前の卒業登山中に行方不明となり事故死とされた
- 同級生・西田さゆり(奈緒)
あらすじ
浅井とジヨンの2人は、同級生、西田さゆりの17回忌の慰霊登山に出かけます。
しかし、猛吹雪により遭難し、脚に大怪我を負うジヨン。
死を覚悟したジヨンは、16年前にさゆりを殺害したと浅井に告白します。
罪の意識から解放されたジヨンでしたが、その後、二人は山小屋を発見し命を取り留めます。
密室で救助を待つ中、告白を聞いてしまった浅井と、告白してしまったジヨン。
2人の間には不穏な空気が流れ始め、やがて二人の関係は崩壊していきます。
観終わった直後の率直な感想
観終わった後、とてつもない重みが胸に残りました。
確実に精神を締めつけてくるような心理劇。
言葉を失うとはまさにこのこと。
「息が詰まるような密室劇・隠された狂気」
最後はまさかのラスト!!
最後の最後まで目が離せない!
観終わったはずの物語を、もう一度再生させる。
誰が一番の悪だったのか!?
人は窮地に立たさせると、こんなに醜く保身に走るのか?
印象的だったポイント
密室の緊張感
物語の大半が山小屋という“閉ざされた空間”で展開。
観る側もどこか身動きの取れない圧迫感に苛まれます。
たった数人の登場人物
ほとんど動かないカメラワーク
それでも一瞬たりとも目が離せないのは、脚本と演技の力。
限られた空間・人数でここまで表現できるのかと感動しました。
役者陣の演技がすごすぎる
主役の2人──浅井 啓介(生田斗真)とリュウ・ジヨン(ヤン・イクチュン)
演技がとにかく圧巻。
一つの告白から、疑心暗鬼になっていき、少しずつ追い詰められていく浅井。
そんな中、高山病に罹り視界も奪われ、より忍び寄る恐怖を倍増させる。
ジヨンのからの精神攻撃が強烈。
緩急を付け迫りくる殺意に、観ているこちらの精神も奪ってくる。
息苦しさを感じるほどの緊張感を、2人で完璧に表現されています。
“告白”の意味が変化していく構成
タイトルにもなっている“告白”という行為が、単なる懺悔や自己開示にとどまらず、物語の中で複雑に意味を変えていく構成が秀逸でした。
観終わる頃には、「人はなぜ告白するのか?」という問いが、自分自身にも突き刺さってきます。
死を目の前にしたとき、人は罪から解き放たれたいと願うのだろうか。
そして、生き延びたその瞬間から「告白」をなかったものにしようと、さらなる罪を重ねるのか。
それとも、すべてを受け入れ、背負って生きていくのか。
静かな画面の中で繰り返される“告白”が、どんどん人の心を崩していくさまは、まさにホラーに近い恐ろしさでした。
語りたい狂気ポイント
自ら脚を、、、。ザク!ザク!
ここから狂気の始まり。
脚を怪我したジヨン。怪我のせいか脚の感覚を失っている。
そこで、自分の脚をナイフで突き刺す。
「ザク、、、。ザク、、、。ザク、、、。」
痛みを感じないからか、静かに、無表情に刺し続ける、、、。
それを目にする浅井。親友が極限状態の中、おかしくなったと思ったことでしょう。
どうにか、平静を取り戻させようと語りかける。
しかし、精神が不安定になる2人。
疑心暗鬼に陥り、不確かな恐怖が次第に輪郭を帯びていく。
告白っっっ!!告白っっっ!!告白っっっ!!
物語の中盤、異様な空気が場を埋める。
死を覚悟し、自らの罪を「告白」してしまった「後悔」
ジヨンが求めたのは同等の「罪の告白」
でも、聞き出し方が恐怖そのもの。
「告白っっ!!」
「告白っっ!!」
「告白っっ!!」
ストックを
「バンッッ!!」
「バンッッ!!」
「バンッッ!!」
追い詰められたジヨンの精神、浅井はその常軌を逸した行動に支配されていく。
夜が明けて、、、。
夜が明けて一転。昨晩の争いが嘘のようなきれいな室内。
どうやら、密室に閉じ込められ極限の状態だったのは浅井だったのか??
追い込まれた精神からおかしな夢を見たのか?
「自首するよ」と、どこか清々しい顔したジヨン。
戸惑う中、会話を続ける2人。
その中で、うっかり口を滑らす浅井。
そこから始まるジヨンの新たな詰問!
ここから数分、一気にまさかのクライマックスへ!!
「だって死ぬと思ったから」
このキャッチコピーも、短いのに強いインパクト。
極限の心理状態を表していて、物語の核心をついていますよね。
「だって、死ぬと思ったから」=死の間際に語られる言葉。
しかし、生き延びてしまったら?
その「後悔」や「責任」が映画のサスペンス性につながっていることを伏線として匂わせているのが秀逸です。
こんな人におすすめ!
-
心理サスペンスが好きな人
-
密室劇やワンシチュエーションドラマが好きな人
-
後味がズシンと残る作品を求めている人
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原作漫画の紹介:福本伸行 × かわぐちかいじという異色タッグ!
映画『告白 コンフェッション』の原作は、実は日本を代表する2人の大物漫画家によって描かれた異色の作品。
この“夢の共作”だけでも、かなり胸アツなんです。
原作:福本伸行さん
まず1人目:福本伸行さん
──“命をかけた心理戦”の名手
代表作
- 『カイジ』
- 『アカギ』
- 『賭博黙示録シリーズ』など
金や命を賭けた究極の駆け引き、その中であぶり出される人間の本性。
そんなギリギリのドラマを描かせたら右に出る者はいないと言っても過言ではありません。
独特の緊張感、“ざわ‥ざわ‥”といえばもう絵が浮かんで来ますよね(笑)
本作でも、「人間の業」や「罪を抱える心理」を見事に描いています。
作画:かわぐちかいじさん
そしてもう1人は、かわぐちかいじさん。
──“国家と個人”を描くリアリズムの巨匠
代表作
- 『沈黙の艦隊』
- 『ジパング』
- 『空母いぶき』など
政治・軍事・人間ドラマをリアルに描いてきた。
緻密な構成と骨太なテーマで、読者に「正義とは何か?」を問いかけ続ける作品を数多く生み出してきました。
『告白 コンフェッション』では、密室という小さな空間を舞台にしながらも、まるで戦場のような緊張感を生み出しており、彼の筆致がしっかりと生きています。
“心理×政治”の最強タッグが描く、極限のドラマ
一見すると作風の違う二人が手がけた作品ですが、だからこそ面白い。
人間の心理を極限まで掘り下げる福本氏と、社会性やドラマ性を加えるかわぐち氏のバランスが絶妙。
「人はなぜ罪を犯し、なぜ告白するのか?」という、重く普遍的なテーマが、シンプルながら深く胸に刺さる形で描かれています。
映画版で気になった方は、ぜひ原作漫画も読んでみてください。
映画とはまた少し違った切り口で、この物語の“本質”に迫ることができます。
まとめ
『告白 コンフェッション』は、密室での心理戦を描いた秀逸なサスペンス映画でした。
友情と罪、告白の重みをテーマにした本作は、観る者に深い印象を残します。
間違いなく“観る価値のある一本”です。
興味のある方は、ぜひご覧になってみてください。
でも、確実に心を削ってくるタイプの作品なので、観るタイミングや気分にはご注意を。
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